【長編】ホタルの住む森
【短】Your Little Wish
「駄目だったら駄目だ!何度言ったらわかるんだ?」
僕の後を金魚の何とかみたいにくっついてくる茜に振り返り、うんざりといった顔であきれたようにため息をつく。
「お願い晃。私の一生のお願いよ」
すがるように僕の袖をつかみ、夜空を思わせる瞳で僕を見上てくる。
そんな目で見たって駄目だよ。どんなに君が望んでもその願いだけは聞けないね。
君がそれを望んでいるのは知ってるけれど、まさか、現実になるなんて思っても見なかった。
本来なら喜ばしいはずのことだけど……
でも、リスクが大きすぎる。
僕は君を危険にさらしてまで欲しい物は何も無いんだ。