【長編】ホタルの住む森
茜…
僕の人生の最後の日には笑って迎えに来てくれる?
お疲れ様って、いつものあの笑顔で抱きしめてくれるんだろう?
ほんの暫くのお別れだね
見ていて
暁と二人強く歩き出すよ
今日が、いつか再び君と巡りあうための最初の一日になる
君の見守るここから、強く一歩を踏み出そう
いつか再び、君と出会える道へと
漆黒の髪に触れ、薔薇色の頬に触れる
唇でその存在を確かめるようにそっとなぞってゆく
瞳に…
額に…
唇に…
再会を約束する最後のくちづけを…
穏やかに眠る茜の唇が
優しく微笑んだ気がした
++ 約束のくちづけ Fin ++