【長編】ホタルの住む森
――晃、いつだってそばにいるよ――
君の声が胸に響いてきた気がして、君の面影を求めて暁を抱きしめる。
あの日の君の笑顔を暁の無垢な笑顔の中に見つける時、僕の胸はいつも言葉で表現できない切なさでいっぱいになる。
独りでは立っている事すらかなわないくらいにその想いは苦しくて…
君を求めて泣き伏したくなる。
君を求めて叫びたくなる。
君を失って心に空いた大きな穴は未だに血を流し続けていて…
いつだって君の姿を追い求めている。
君が恋しくて眠れない夜を幾度過ごしただろう。
僕は…こんなにも弱い人間だっただろうか。