【長編】ホタルの住む森

ほら…君の愛した世界はこんなにも優しく僕らを包んでくれている。


僕はそれを感じる事が出来るから生きていられるんだ。


そうだね、茜。


ずっと一緒に暁の成長を見守っていこう。


暁が大きくなって君の面影を抱きしめる事が出来なくなるのは寂しいけれど


君が僕を抱きしめてくれるならそれでもいいかな。


ほら、今だって君が微笑みかけてくれるのをカーテンを揺らす風の中に感じるよ。


――いつだって、あなたの傍にいるよ――


フワリとカーテンを揺らした風が晃を優しく包み込み


何処かから茜の香りを運んできた。



++ 天使の贈り物 Fin ++


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