【長編】ホタルの住む森
この間、暁は蒼の家の庭で、木登りをしていて落ちたんだ。
ほら、君の生まれた家の庭にあった一番大きな松の木だよ。
頭を打っていて、意識不明だった。
僕は、君が暁を連れて行かないでくれると信じていたけれど、それでも2日間眠り続けた暁を見守っている間、不安で不安で仕方が無かった
目覚めた暁が言った言葉を、僕は一生忘れられないだろう。
「おとうさん。ぼく、おかあさんに会ったよ」
暁は夢を見ただけなのだろうか?
いや、違う
茜、君なんだろう?
君が暁を助けてくれたんだね?