【長編】ホタルの住む森
悲しい生き方だと君は泣くだろうか。
それでも…
君のいない現実の中では僕は生きてはいけないから
せめて夢の中では笑顔の君を抱きしめていたいんだ。
僕はここでずっと待っている。
いつの日か君の魂が僕の元へ還ってくる日を
それがどんなに小さな命でも…
たとえこの体が朽ち、生まれ変った後の世であっても…
必ずもう一度君をこの腕に抱きしめよう。
茜…
僕は今でも君を心から愛しているよ。
薬指に光る指輪に唇を寄せ、ゆっくりと瞳を閉じる。
夢に沈む晃を見守るように、小さな星が闇夜に瞬いた。