【長編】ホタルの住む森
茜の気持ちを受け入れる事が出来るのか?
茜の願いを叶える事が出来るのか?
それを考えると何が書かれているのか読むのが怖かった。
月明かりだけでは読めないだろうと拓巳がライターを取り出した。
この時になって、ようやく拓巳が煙草を吸うことを思い出した。自分の前では決して吸わない為、すっかり忘れていたのだ。
拓巳の優しさを感じて心が温かくなった。
ここに、私を支えてくれる人がいる。
たとえこの手紙に何が書いてあっても、全てを受け止めよう。
護ってもらってばかりの自分はもう嫌だ。
陽歌は心を決めて封を切った。