【長編】ホタルの住む森

傷を負った心は血を滴らせたまま暴走して止まらなかった。

自分の中で、ずっと認めたくなかった思い。

ずっと目を逸らしてきた思いと初めて向き合い、その衝撃の大きさに心が悲鳴をあげている。


―――心が引き裂かれる。


―――思いが血の花を咲かせる



「―――私なんていなくなってしまえばいいのよ!!
あと、何年なんて言わず、今すぐにでも死んでしまえばいいんだ」




―――――――――!!




不意に襲った衝撃に言葉を飲み込む。



胸を塞ぐような圧迫



息の出来ないほどの衝撃



自分が晃に抱きしめられ唇を塞がれたと言う事に気付くまで…


どれくらい時間が掛かったのかわからなかった。




< 39 / 441 >

この作品をシェア

pagetop