【長編】ホタルの住む森
小さな花がゆれて花びらを散らした。
花はいつか散るものだ。
だがそれを恐れていては何も出来ない。
花をテーブルに放り投げると勢いをつけてベッドから降りた。
カーテンを開け放ち窓を開ける。
朝日をいっぱいに受け、僕たちの進むべき道へ光を引き込む。
世界は光で満ち溢れ、命を注ぎ込むように太陽が暖かな陽射しで包み込んでいた。
大地に命の芽吹く音が聞こえる。
風に命を運ぶ香りが混ざっている。
この世の全てが生きようと精一杯の努力をしている世界に今、君は生きている。
君だけが僕と生きることを諦めるなんて決して許さないよ。
恐れないで…僕を愛する事を。
僕は最後まで君のそばにいる。