【長編】ホタルの住む森
【SS】プロポーズ
Side 晃
僕はここで待っている
僕の心に住むただひとりの愛しい女性(ひと)を
君が蒼(あおい)と約束した時間まであともう少し
この森で待ってるのが僕だと知ったら、君はどんなに驚くだろう
あの朝、桜の花びらを残して去った君は、僕の決意を受け入れてくれるだろうか
夜の帳が下り、辺りが闇に包まれる
月も星も無い闇夜に浮かび上がる、淡い光だけが、僕らを導く僅かな道標になる
君と共に生きる為なら全てを失っても怖くない
明日この世が終わっても
この世が永遠の闇に包まれても
君のいない世界で生きるより恐ろしいことなど僕には無いのだから
ホタルの儚い光に導かれ、小さな足音が聞こえてくる
闇の中に僕を見つけたら、君はまた逃げてしまうだろうか
いや…
決して逃がしはしない
君をこの腕に閉じ込めて、二度と逃げられないように僕の愛で繋いでしまおう
君が僕を愛していると認め、共に生きると頷いてくれるまで…
茜…愛している
僕と共に生きよう
君に永遠の愛を誓うよ