男にモテたい美人の話
第二章 ナンパ男
ジャンジャーン!
「きたーっ!」
激しい音楽と共に、銀色の玉が流れ出てくる。
そして歓喜の声をあげた聡。
奴は、大当たりと映し出された画面から目を離さないまま
隣でイライラする私に向かってピースをした。
「おまっ!うぜっ!」
聡とは対称的にどんどん玉が消えていく私……
「〜だめだっ!私スロット行くわ!」
騒がしい店内で、ウキウキな聡に聞こえるように大きな声で伝えて、私はスロットコーナーへ歩きだした。
平日の昼間
おっさんやサラリーマンがポツポツと座っているが、好きな台に座れそう。
パチンコでストレートに負けた一万…取り返さねば!
データを見ながら、慎重に設定の高そうな台を探す。
「パチスロには設定っていうのがあって、設定が高いと当たりやすいんだよ!」
すかさず誰かに向かって説明する優しい私。