桜姫-sakuranohime-
適当に見て回ったお店。
目に留まったのは小さなアクセサリーショップ。
ついつられて中に入るとそこには煌めく沢山のアクセサリー。
始めてみる光景ってわけじゃないのに何だか心が躍るような気分になった。
そこにあるアクセサリーは別に宝石で出来ているわけでもないのに今の私には眩しいほど光り輝いて見えていたんだ。
その光景を見ていたら何でか知らないうちに涙があふれ出ていた。
止まることを知らない涙に私はその店を後にした。
そこをまさか君が見ていたなんて、知らなかったんだ。
少し走ってお店から離れ落ち着いた頃にはもう当たりは薄暗い空に覆われていて、今日もまた夜が来たことを私に告げる。
気がついたときには家にいて、自分自身、どうやって帰ってきたかなんて覚えてなくて、そんな自分に恐怖すら覚えるようになっていた。