桜姫-sakuranohime-
「ねぇ」

後ろから聞こえた微かな声

振り返ってみるといかにもチャラそうな男

20代くらいかな、なんて検討違いなことを思っていると急に腕を引っ張られた


『危ない』頭ではそう思ったが体が震えていて動けない

その間にも私はその男に引っ張られ人気のない場所へと連れて来られた


「嫌っ離して」
咄嗟に腕を振り払おうとしたが逆に顔を殴られた

身体はさっきよりも震え、自分でも抑えることができなかった


そしてこの日私は処女を失った

泣いても泣いても収まらない。
涙が枯れるなんて嘘だなんて頭の片隅で思いつつ雨が降りはじめたその場所を後にした
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