桜姫-sakuranohime-
そしてその帰り道だった


その辺をブラついて適当な道を歩いて帰路につく

薄暗くライトが疎らな道
都内では珍しい光景だ


ボーッとしていたので気がつかなかったがよく見てみると自分の家とは全くの逆方向に来ていた。

そんなことを分析しながら歩いていたら

「おい」

後ろから声をかけられた
振り返るとそこには明らか不良ですみたいな恰好をした男


まぁ自分も人の事言えないかぁ

なんてまた意識を飛ばしているとそれに気づいたのかまた呼ばれた

「おい」
ちょっと切れ気味だったのは
寒い時期に無視されたと思ったから?


「あんた、『Queen』のサクラだろ?」

普段なら驚かないがこの時だけは何故だか驚いた

「なんで」


そしたら君はフッと笑って言ったんだ

「俺がQueenと同盟組んでるとこの頭だから?」

決定的に言わない君に思わず笑いが込み上げてきたこと

君は知ってたのかな?



そんな冬の寒い日に君とあったんだよね

まだ君は覚えてるのかな
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