年下君は危険人物
「杏……」
「ん?……っ!!」
ゆっくりと隼人の顔が近づいてくる…。
わからない…
でも…私はそっと目を閉じた。
馨君の顔が、近づいてくるのとは、違う…
心の何処かは、目の前の隼人を恐れてた。
だから…見るのが怖くて、目を閉じたのかもしれない。
でも、感じる…少しだけ触れる…
――――…キスを。
「……」
「急にごめん…」
「うぅん…いいの」
だって自分の体が…
体の何処かが…隼人を受け入れた気がした…。
馨君の時とは違う…
甘くない
でも
苦くない
妙な感情に―…。
そんな気がしたはずだった―…
「杏…」
私と隼人は抱き合った。
温かい…
「俺…すげー幸せ…」
「………―私も…」
そう思いたかった―……