眠り姫が醒める時
「あんたは奈々の好きな人盗ってるのよ!」
「盗って無いじゃん。」
そう言ったのは若菜だった。
『若菜…。やめてよ…同情なんて…』
「同情なんかじゃない。」
「何言ってんの?美しい友情?」
「黙れ。愛の何知ってるの?」
『若菜だめっ!』
目を伏せたと同時に、
若菜が文句を言った
張本人に腕を振り上げた。
「え…」
でも…
その腕は大きな力によって
封じられた。
「俺は愛の事好きだから付き合ったんだけど。」
その声の主は、赤坂 恭だった。