眠り姫が醒める時
「きょ…恭くん…」



『でも…付き合ってたんだよね…』




「何言ってんの?」




『奈々ちゃんに悪いよ…』







「付き合ってね-し。」






『へ…?』



「ば-か。」



温かい涙が頬を伝った。

「餓鬼だなあ…愛はさ…」



あたしの頭を撫で、

後ろを向いた。




「あと…愛に付き合ってるって言ったの誰?」






「言ってませんわ。」




「盗った。と申したのです。」






「一緒じゃね-か。性格ブスのくせに。」


『あの…赤坂 恭?酷いよ?』



あたしは、

おそるおそる止めてみた。
< 20 / 56 >

この作品をシェア

pagetop