眠り姫が醒める時
『あたし…もう高校だから家…でるね?』
「俺も…」
「兄弟で一緒に住むなんて馬鹿なこと考えるなっ!」
『兄弟が愛し合っちゃいけないの?腹違いじゃない!だめなんて言葉…聞きたくないの。』
「だめなものはだめだ!」
「光…志…」
それはお母さんが呼んだ最初で最後のパパの名前だった…
「誰がなんと言おうと俺は出て行く。」
「やめろ!」
激しい口喧嘩の中あたしは出て行く事を決意した。
「明日、7時に南公園。」
それは恭があたしに言った、愛の言葉だった。
精一杯の。