お隣さんの恋愛事情



それから約1時間後。



「完っ璧!!」



ウトウトしている間に、髪もセットされていたらしく、ヘアーアイロンの微かな温もりとワックスの匂いを感じた。

自信満々な顔を浮かべて、鏡を差し出してきた朝子から視線を移すと…



「これ私?!」



「そう。」



「マジで?!?!」



「私の手にかかれば、どんな豆狸だってこうなんのよ」


朝子の言葉に少し引っ掛かるところはあったけど。
んなこたぁどうでもいい!
言っても良いですか?自分で言っても良いですか?



「可愛い可愛い可愛い~!何この子!誰この子!」



しばらく自分に見とれてしまいました。



だって!目とか腫れてるどころかパッチリだし、大きいし!小低い鼻が高いし!唇とかプルプルしてるし!髪とか寝癖セットじゃなくて、巻き巻きしてるし!




これ。
イケるよ!!グッ!!



「朝子!」



「気に入った?」



「あんたプロだよ!」


「親指立てるな、ついでに喋るな。」




朝子はちょっとだけ呆れてたけど、本当にプロだよ!あんたプロだよ!

親指を立てたままの私の下着に、詰め物をしっかり入れて、靴箱から高いヒールの可愛い靴を持ってきた。

転びそうになりながらも、今まで見たこともない自分になれたことが嬉しくて、朝子に感謝感謝と拝んだ。ら、デコピンされた。


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