お隣さんの恋愛事情



「あんのクソババァ、せっかくイイとこだったのに。」



朝子ちゃん、口調が変わってますよ?



「はぁ~あ!せっかく幹夫さんといたかったのに。ごめんなさい、何かうちの母親が来てるらしくて。」



さすが朝子。クルっと振り返ってミキ姉に見せる顔と口調は元通り。

やっぱりあんたプロだよ!



「いいよいいよ!また会えるしね!早くお母さんの所に行ってあげて?」



「本当にごめんなさい!じゃあ失礼します!」



オイオイ、私は無視か。
と思いきや。



「恭子!私が良い女だって幹夫さんにちゃんと伝えといてよ!」



「はいはい」




小声で私に耳打ちして、朝子は部屋を出ていった。



てゆーか絶対あれ酔い冷めてるでしょ。
ミキ姉の前でわざと酔っ払いのふりしたな、ありゃ。




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