お隣さんの恋愛事情
―――………
「ちょっ、待てってっ…!」
忘れもしない、約1週間ほど前の夜。
名前も知らぬ芸人クソ男に犯されそうになり、ファーストキスを奪われ、それも他人の部屋で。
挙げ句の果てに、飲みすぎが祟ってしまい、トイレまで間に合わず廊下でピ――しまして。
私はキラキラオーラ全開のイケメンに介抱(と呼べるのかはわからないが)されました。
「……とりあえず洗面所行って。」
恥ずかしさやら申し訳なさでいっぱいの私は、顔を上げることもできずにそのまま座り込んでいた。
静かに、冷たく言われた一言に、私は従うしかなく洗面所に向かう。
洗面所に行って、水でうがいを何度もし、まだまだ気持ちの悪い胸を押さえながら鏡に映る自分を見た。
そこには泣いてしまって、すっかり崩れてしまった哀れで惨めな私がいて、その時初めて神様ってのを恨んだ。
まだ引っ越して3ヶ月だし、お金もないし引っ越すわけにもいかない。
あぁ~あ。
何で私ってこんなんなんだろ。
自分で自分が情けなくて、乾いた笑いが出た。悲しいとか何とかっていう問題じゃない。
もう呆れてものが言えない。
だいたい私は小さい頃からずっとそうだった。何かやろうとすればすぐにしくじる。ちょっとやる気を出してみても空回り。
もうホントやだ…。