お隣さんの恋愛事情



「ちょっとは落ち着いた?」



そっと肩に掛けられたタオルケットからは、洗剤か柔軟剤かの良い香りが漂って、間違っても私の部屋にある、よだれの匂いが染み付いた毛布のような匂いじゃなかった。



「合コンか何か?」



「…はい…」



「簡単に男、部屋に入れるもんじゃないよ。軽い女だって思われるし。あんた処女なんでしょ?」



「どうしてそれを!!」



「いや、ここ俺んちだし、丸聞こえだし。」


「あっ、そうだった。」



「…てゆーか…ブッ!」



さっきから何かニヤニヤしながらこっち見てるなぁとは思ったけど、いきなりイケメン男は吹き出した。



「な、なに?!」



「そ、その顔っ!まぢウケるんだけど!」


いくら大失態をおかしたといえ、いきなり吹き出されるのはかなり不愉快である。
しかも顔とか。失礼にもほどがある!



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