お隣さんの恋愛事情
さて。久しぶりに掃除でもするか!
と思ったのは昔の話で。
現実はごみ出しから帰ってきて二度寝して、起きたのは火曜サスペンスの再放送が流れている時間だった。
重たい体をヨイショと起こしてみたものの、どうしても頭が痛くてボーっとする。
何だか体も熱っぽい。
今まで風邪らしい風邪なんてひいたこともないのに、ここ最近はツイてない気がする。
「病院だりーな…」
わざわざ隣町にある病院まで歩いていく元気もないし、結局私はまたゴロゴロし始めた。
とりあえず溜まっている洗濯物を洗濯機に放り込んで回して、煙草でも吸えばスカっとするかな、なんて余裕をかましていた。
煙草に火を点け、口に加えたまま冷蔵庫に向かう。ファンタオレンジのペットボトルを取り出し、ラッパ飲み。
そのまま今度はベランダに出た。
朝よりは暖かくて、「今日は洗濯日和ね」なんて一人言を呟いて、空に向かって煙を吐いた。
ふと、さっき会ったサラリーマンの部屋のベランダに目を向ける。
非常用の衝立の隙間から見えたのは可愛いピンクのカーテン。
こっちは彼女持ちなんだな。
一人納得して、2本目の煙草に火を点けた。