お隣さんの恋愛事情



「心配って…」



『だって!ずっと電話かけても出ないし!家行こうにもあんたんち引っ越してからは行ったことないからわかんないし!…どうしようかと思った…』



「あさ、こ…」



『この前の合コンだって、無理矢理私が連れていかなきゃあんな目に遭わなかったし…』


「あれは朝子のせいじゃないじゃん!ホイホイついてった私が悪いんだもん!」



『でも元々あんた行く気なかったし、今日はこの前のお詫びにって思って誘ったら、あんた来ないし連絡もとれないし…』



「…ごめんね?」



『あんたじゃなくて、私がごめんだよ…』



「でも朝子のこと泣かせちゃったし…」



『泣いてないし!』



強がりな朝子は、結局その後もずっと自分が悪いんだって謝ってた。何か最後は何が何だかわかんなくなって、2人して笑ってた。

朝子はあの合コンの日、私が店を出た時、その場に自分がいなかったことをずっと後悔してた。
私がいれば、恭子をあんな怖い目に遭わせずにすんだのにって、何度も謝ってた。

確かにあの時は怖かったけど、それなりに楽しかったし、あんな男もいるんだってわかったし、悪いことばっかじゃなかった。


朝子の声が鼻声じゃなくなったのを確認して電話を切った。
だけど、そんなふうに私のことを思ってくれてる朝子の気持ちが嬉しくてたまらなくて、私はしばらく一人でニヤニヤしてた。


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