お隣さんの恋愛事情



――――……




「だぁ~かぁ~らっ!もう私腹が立って仕方ないのよ!あっちが今日来るっていうからご飯の用意までしたのよ?それなのに、今になって来れないなんてっ!ホント嫌な男!」



「はぁ…」




この状態。この現状。
なぜにこのような状態に?

私は何故かエリート男(女?)の部屋に無理矢理引っ張り込まれ、風邪をひいてるからと、お粥を食べさせられ(旨かった)、オデコに冷えぴたなんて貼られて寝ている。


ピンクのお姫様が寝るようなベッドに。




「ちょっとアンタ!聞いてんの?!」



「もちろんですよ、幹夫さん。」



「もぅイヤっ!幹夫って呼んじゃイヤっ!ミキ姉って呼んでって言ったじゃない!」



「…ちょっと…いや、かなり無理が…」



薬が効いてきたのか、多少は楽になってきた体が、この一言を聞いたミキ姉(と呼ぶしかない)のドスの効いた睨みによって、今度は息が止まりそうになった。



「でね?」



切り替え早いな、オイ。



「何か私が言うと、その時は大丈夫だとか笑ってるくせに、後から怒るのよ!」



「へぇ…」



「だから言ったの!『あなた怒るじゃない!だから嫌なのよ!』って。」



「そしたらどうしたんですか…」



「ブチッて切られちゃったのよ!もぅホントムカつく~!」



両手で白いフリフリエプロンの裾を持って、口に加えながら「キー」とか言ってるこの男を誰か止めてください。


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