お隣さんの恋愛事情



「てゆーかアンタ大丈夫?」



今更おそっ!もっと早く気づこうよ!てか、いい加減寝せてくれよ。帰らせてくれよ!



「あの、私もう自分の部屋帰りますね、いろいろありがとうございました…」



今しかない。
今このピンクで埋め尽くされた、まるでラブホテルのような(入ったことはないが、ドラマで見たことはある)、気が狂いそうになる部屋を出なければ、私はいつ出れるのかわからない。



「でもアンタ一人なんでしょ?大丈夫なの?」



「全ッッッ然大丈夫です!」



あなたとこのピンクルームにいるよりは。



「そう?じゃあ気をつけてね?何かあったら私に言うのよ~」



あなたといたほうが具合が悪くなる一方ですから。



「じゃあ、いろいろありがとうございました…」



イソイソと荷物を持って、オデコに冷えぴたを貼った状態で玄関のドアを開けた。




その時。



< 42 / 121 >

この作品をシェア

pagetop