お隣さんの恋愛事情



「もう!女の子泣かせちゃダメって言ったでしょ!」



「知らねーよ、勝手にキレて泣いてんだから仕方ねぇじゃん。」



「だからってアンタ…女の心はガラス細工のように繊細なのよ?それなのにアンタときたら…」



「なぁにが女だよ。お前男だろうが。」



「付けてくるもん間違えて生まれてきただけよ!あと、幹夫じゃなくて、ミキ姉って呼びな!」




…てゆーか…私の存在忘れてません?
何か後ろからはどんどんミキ姉が押してくるし、前からはズカズカとイケメン正人が来るし、チビの私はデカイ男2人に挟まれ、自分の部屋の前にいるにも関わらず、中に入れない。



何か頭ボーっとしてきたし。寒気までしてきたし………




「…アンタって男はっ……って、ちょっと!恭子?!」



「ちょ、お前、オイ!」



薄れゆく意識の中、ミキ姉とイケメン正人の声が聞こえたけど、私はそこで意識が途絶えた。

寒空の下、38度5分もある体は、一気に床に倒れ込んだ。



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