お隣さんの恋愛事情
―――……
ひたすらキーボードを叩き続ける作業も一段落し、昼休みになった私たちは食堂へ向かった。
何にしようかと悩んでいると、オムライスにお子様用の旗がついているのが目に入り、速攻注文した。
「…何でまたそんなお子様用の旗なんてつけてんの…。てゆうかさ、なんで社員食堂にお子様の旗があるんだろ…」
「だって何か嬉しくない?いくつになってもお子様用の旗って嬉しい!」
呆れ顔の朝子を前に、私は旗のついたつまようじを口に加える。これについてるケチャップが良い。
一人喜んで食べていると、朝子が大きな溜め息をついた。
「朝子、溜め息つくと幸せ逃げるよ?」
「あんた見てると溜め息つきたくなんの。」
「なんで?てゆーか、いっつも綺麗に髪巻いてるね!」
「巻いてるね!じゃなくて!少しは自分を飾るってことを知らないのか!」
「え~、だってめんどくさいじゃん。」
「とりあえず化粧をしろ。」
「してるってば。」
「ファンデ塗って眉毛描けばいいってもんじゃないのよ!」
「だぁって朝子みたいに綺麗にできないもん。」
そう。朝子は女の私でも見とれるくらいの美人で、スタイルも良くて、上司からもウケが良い、いわゆる私と正反対のタイプ。