お隣さんの恋愛事情
「恭子?!ちょっとアンタ!」
「ちょ、しっかりしろっ!」
あぁ…何だか目が霞むわ。年かしら。24にもなりゃ老化現象が始まるのね…
「…………って…ちょちょちょっと!アンタ何してんのよ!」
「何ってベッドまで運んでやってんだろうが!」
「ベベベ、ベッドってまさか…アンタ私を襲う気?!」
「いや~ん!恭子ったらハレンチぃ~」
はい、ストップ。
今、「ハレンチぃ」なんて言った奴。
この人が私の左隣のお隣さんなわけですが。
実は男です。
正真正銘の男です。
名前は笹岡幹夫(26)。
簡単に言えば、そっち系のオネェってことですね。
見た目はイケメン正人と並んでも何ら劣るところなど一つもない、女ならば見惚れてしまうくらいのサラリーマン。
ですが、今の彼は、ワイシャツにフリフリエプロンなんてつけてオネェ言葉を喋るただのオッサン。
あっ、オッサンなんて言ったら殺されます。
見た目は男、心は女。自称「ミキ姉」。
そんな彼らに看病をされることになるとは…。
普通大好き☆な私の脳内計画ではありえないことなのでありました。