お隣さんの恋愛事情



しばらくすると、リビングから掃除機の音が聞こえ、イケメン正人とミキ姉の声が響いてきた。



「ちょっと!アンタ洗濯物干してないじゃない!」



「なんでイカの塩辛がテレビ台の下に…」



「ギャー!ゴキブリー!」



「うっわっ!何これ…カビ?!」




よくもまぁ、人の部屋で大声で恥ずかしいことを言ってくれてますよ。
冷えぴたも、もう少し丁寧に貼ってくれりゃいいのに…。


あぁ~寒っ。
寝よ寝よ…




「おい!薬!」



「寝てます…」



「起きてんじゃねぇか。ホラ、口開けろ!」


冗談じゃない。
病人をベッドに投げて、服を無理矢理脱がせて、冷えぴたをバチっと音がするように貼る人間に、最も苦手な粉薬を飲まされてたまるもんか!


思いっきり毛布を頭から被り、意地でもそこから出ないように踏ん張った。えぇ、頑張りました。


だけど、無駄でした。

イケメン正人からいきなり体から抱えられ、目を開けた先には、まるで魔女のようにニヤリと笑って粉薬を持っているミキ姉がいました。



「薬いや~!!!」



「おだまり!!!」



イケメン正人に口を思いっきり開けられ、この世のものとは思えない苦い薬を(大袈裟)入れられた。水を流し込まれ、私はついにバタンキュー……


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