お隣さんの恋愛事情
おっとっと。
すっかり回想にふけってしまった。
てゆーか…
「何で私の部屋にいるの?」
のほほんと鼻をかんでポテチを口に運びながら聞いてみる。
と、ゴミ袋を持ったイケメン正人に怒鳴られた。
「テメぇがいつのだかわかんねぇ生ゴミベランダに出しっぱなしにしてっから教えにきてやったんだろうが!」
「へぇ。…それだけ?」
「それだけ?じゃねぇよ!生ゴミの臭い匂いがうちのベランダに漂ってくんだよ!」
「だぁって仕方ないじゃん、すっかり忘れてたんだもん。」
「だもん、じゃねぇ!お前は女か?!」
「んー…ついてる体のパーツは一応女だと思うけど。」
「さっさとベランダから生ゴミ持ってこい!今すぐ!」
ヘイヘイと、ため息をつきながらベランダに出る。
11月にもなれば夜は寒くて、相変わらず鼻からは大量の鼻水。
ふと、空を見上げれば月が綺麗で、つい見とれてしまった。
そのままボーッとしていると、後ろから生ゴミを持ってこいと急かされ、恐ろしいほどの匂いを放つ袋を、鼻をつまみながら手渡した。
自分でやれとか言ってる声が聞こえたけれど、久しぶりに見た満月を見ていたくて、思いっきり無視した。