お隣さんの恋愛事情



「あんた私のこと好きなんでしょ?!」



「何でいきなりそうなんだよ!」



「だってあんた、私のこと口説いたじゃない!」



「いつ俺がお前を口説いたっつーんだよ?」


「ベランダで!照れて言わなかったじゃん!」



「あれはお前の鼻毛が出てたから、女相手にさすがに言いにくかったんだろうが。」



「……マジ?」



「大マジ。」




固まる私。
目の前には呆れて物が言えないという顔をした正人。


なに、じゃあ私の勘違い?



「ややこしいこと言ってんじゃねぇよ!」



「ややこしくねぇだろうが!」



「私の読んできた少女漫画だと、あんたは私が好きなんだよ!」



「知らねーよ!」



「りぼんって名前のコミックだよ!」



「漫画の名前聞いてねぇよ!」



軽く息切れする私。
無駄な体力の浪費だわ。
ウザいわ。かなりウザいわ。

あぁ~シラケた。
酔いも冷めたし。マジ最悪。



「ちょっとあんた、飲み直すから付き合え。ついでに奢れ。」



「なんで俺が。」



「私の純粋な乙女心をズタズタに傷つけたから。」



「意味わかんねぇ…」


「いいから行くぞ!」


「ジャイアン…」



「私は女だからジャイ子だよ。」



「(ツッコむとこ、違くね?!)」


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