お隣さんの恋愛事情
気付けば、体は小さいが態度はやたらとでかい小動物が、これまた偉そうに俺の愛用のソファーに座っている。
立て膝をついて、貧乏揺すりを繰り返す姿は、もはや24歳の女とはとても思えない。
しかも、立て膝なんてついているから、見たくもないベージュのパンツがチラチラとチラリズムを奏でている。
だけど悲しいことに、パンツから垂れ下がっていると思われる、ほつれたベージュの糸が、俺が今まさに座ろうとしている場所までのびているのだ。
「サンキュー☆」
黙ってテーブルに置いたコーヒーを素早く手に取ると、これまたうまそうに飲んでいる。
なんてゆうか。
エサをもらったレッサーパンダのようだ。
だが残念なことに、本来レッサーパンダから醸し出される可愛いというオーラは、この女からは少しも感じられない。
黙ってすするコーヒーが、いつもより苦く感じる寒い夜だった。