お隣さんの恋愛事情
気付けばお互い立ち上がり息を切らして、レッサー女に関しては、テーブルの上に短い足を片方乗せて、腕を組んで誇らしげに鼻を鳴らしている。
そういう俺は、何故か大きな敗北感を感じて唇を噛み締めていた。
「……てゆーか…話そらしてんじゃないわよ!」
「オメーだろうがよ!」
結局その後、レッサー女は怒りでピクピク鼻を膨らませながら自分の部屋へと帰っていった。
ドアがバタンと閉まる音が聞こえたかと思えば、「しまったー!今日特番でスペシャルだったんだ!」などと言う叫び声が響いた。
ひとまず一服でもしようかと、ジャケットのポケットに押し込んでいた煙草に火をつける。大きく灰に吸い込むと、思いっきりむせた。
「今日は厄日だ」
一人呟いた言葉は煙草の煙に紛れ、大きな欠伸が今日1日の疲れがどっと肩にのしかかる。
そういや明日は早番だったな…
もう寝よう。
風呂は明日朝にでも入ろうかと煙草を灰皿に押し付ける。
目を閉じれば見えるのはレッサー女の顔で。
しばらく見なくていいなんてボヤいているうちに、深い深い眠りへついていった。