お隣さんの恋愛事情
仕事しねーと時給下げられっぞ、と言えば、時給の上げ下げを左右するどころか、そこまで店の経営に詳しくはない俺のその言葉を信じて、淳は慌てて服をたたみ始めた。
これでしばらくは静かだろう、なんて一安心し、徐々に増え始める客に対して、営業スマイルをふりまく。
この店には男物から女物、アクセサリーなど幅広く商品を備えている。そのため、まぁまぁイケメンの俺(自分で言えれば確かだね)を目当てにやって来る女性客も多いのだ。
いわゆる看板息子みたいな☆
それゆえ、こっちからわざわざ声をかけなくても向こうからやって来るわけで。結果、俺は女に不自由しない。
そして今日も楽しく接客すれば、みるみるうちに服は売れていき、セール中ということもあってか、夕方になっても客足は途絶えなかった。