お隣さんの恋愛事情



少ない休憩を削って、営業スマイルふりまいて来た先には、隣に住むレッサー女で。



「ねぇねぇ!何でこんな高いの?!」



小さい体に大きな目を更にクリクリさせながら、セーターの値札を指さしながら必死で聞いてくる。



「それ入荷したばっか。ちなみに今年流行ってるやつね。」



「だからって2万円とか高すぎない?!」



「あのね、だいたいどこの店だってこんくらいするよ。」



「え~、だって私の地元にある常に安売りの店とか、こんな薄っぺらいセーターだったら998円だよ!」



「お前の地元と一緒にすんなよ。」



あぁ、無駄だ。
俺は今確実に無駄な時間を過ごしている。
早く休憩行きたい。行ってコーヒーでも飲みたい。



「あんた今、私の地元バカにしたよね?!」


「地元をバカにはしてない。ただ、今あんたが着てる服はどうかと思うけどね。」



俺に言われて、自分の格好を爪先から見ていくレッサー(女は省略)。

だってこの女の格好。
普通の24歳の女が、お洒落な店に入ってこれる格好じゃない。



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