お隣さんの恋愛事情
固い固い決意をした直後。何か思い出したように部屋に入っていくレッサー。しばらくして、またベランダに現れた。
「あのさ、肉じゃが作ったんだけど、量多くてさ。あんた食べる?」
「肉じゃがで俺を釣る気か?!俺は騙されねー!」
「…いや、いらないんならいいんだけどね。」
「…」
「…」
「………食う……」
「んじゃこっち来なよ。じゃね。」
「………」
ドキンっ
はっ。
何だ今のはっ。
何だかドキがムネムネする。
肉じゃがは俺の大好物だ。まさか俺を釣るためにリサーチ?!幹夫か?!
いや、その前にドキがムネムネって何!
かなりベタじゃねーか!
「何でレッサーなんかに、レッサーなんかに、レッサーなんかに、レッサーなんかに………」
「いるの、いらないの!どっち?!」
「いる!食う!」
「だったらブツブツ言ってないでさっさと来やがれ変態。」
あぁ。嫌な予感だ。
胸がざわめく。
俺は肉じゃがに勝つ!
勝ってみせる!ジッチャンの名に……
「早く来いっつってんだろうが!!」
「…はい…」