お隣さんの恋愛事情



とりあえず宥めてみようと、立ち上がったミキ姉を座らせ、勝手に冷蔵庫の中からビールを持ち出した。もちろん2本ね!



「非常に聞きにくいんですが、なぜにフラれたの?」



「……二股かけられてた…」



「マジで?!」



「しかももう一人は女。」



「うわー、きついね。」



「きついどころの話じゃないわよ!私がどんだけあの男に尽くしたか!」



「貢いでたの?!」



「いや?」



「え、じゃあ尽くしたって何よ?」



私からビールを奪い取ると、グビグビ飲んでまた立ち上がるミキ姉。かと思えば、いきなりベランダに出る。




「私の体よー!!!」



ミキ姉につられて飲んだビールを、ガラガラな叫び声を聞いた瞬間吹き出した。




「ちょ、ミキ姉、近所迷惑だから!」



「離して!もうこうなったら死んでやる!!」



「だめー!!!」




あぁ、やだやだ。
何なんだこのオッサン。
かつてはキラキラオーラを放っていたイケメンサラリーマンに見えたのに、今じゃその時の面影はかけらもない。




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