永久の想い-トワノオモイ-
家に帰って、部屋に帰って、とりあえず今の自分の状況を考えてみる。
樹衣は小学4年生。そしていわゆる不登校児。問題児。別に悪い事してるなんて思ってない。ただ、お母さんに迷惑かかってる事くらい知ってる。4年生だからって、子供だからって…世の中甘くないって事くらい分かってるつもりだし。でも、あのヤミノセカイには、二度と戻りたくない。帰りたくない。
そして今日…新しい道に進もうとしてる。やっぱり怖い。自分の事棚にあげて…やっぱ不登校児って言われたら…印象悪いじゃんか。どんな人だろうって怖いじゃんか。逆に自分も、同じ風に思われてたら…信じられる人も、仲良くなれる人も、上手くいかない気がするよ。
そう考えて…改めて考えて…自分の今の場所<ポジション>の脆さが見えてきた。誰も踏み込めない場所にいるんだ。不登校のレッテルを貼られた樹衣に、居場所なんてないんだ…。そう思ったら、涙がとまらなくなってきた。
明日だって、きっと何も出来ない。明後日からは、元に戻るんだ。
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