永久の想い-トワノオモイ-
夜になると、どうしても泣けてきて。
仕方ないからベランダに出た。
6月の纏わりつくような風が、樹衣に吹いてくる。
月を見てると、なんだか苦しくて…あそこに行きたいって思えてくる。
ここはマンションの11階だから、
「案外すぐに行けるのかもね」
なんて、言ってる自分にニガワライするんだ。
身体を乗り出して、下をのぞき込んで、オモチャみたいな車の流れを見るの。
自分の今の状況が、普通じゃないことくらいわかる。
ココから逃げたいのに、どこか冷静な自分がいるんだ。
結局なにも変らないまま、眠れないまま、いつもと変らない朝になる。
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