ビタースイート
休み明けのテストが終わるとすぐ体育祭の準備が始まった。
クラスで何か一つの事に取り組む点ではクラスマッチと変わらない。
「水原さん、今年も女子のアンカー任せてもいいかな?」
一年の時も同じクラスだった、体育委員の前川さんが問う。
ぼーっとしていた。
思わず、わかったと言ってしまった。
走るのは苦手なのに。
「じゃ俺男子のアンカー行くわ」
手を挙げたのは井上だった。
あんな事があったのに何を考えているんだろう、この男は。
「水原、頑張ろうな」
八重歯を除かせ、いつもの笑顔。
何か、ある。
騙されるものか。
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