ビタースイート


苦しくなって、目を開ける。

あの時とは違う空間。
ホッとする。


私にはアキがいる。
皆も、水無月君だって。

もう大丈夫。


自分に言い聞かせ、もう一度瞼を閉じようとした。
が、ある事実に気付く。

水無月君は私が中学の時に好きになった人に似ている。


あんな酷い事があったのに、私はまだ忘れられていなかったのかもしれない。


私は水無月君があの人に似ているから好き、なのかな?


それは違うと言える。
根拠はないけど自信があるから。

誰かを好きになるって、多分そういうこと。




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