ビタースイート


彼女は私とは正反対の女の子で、思った事はハッキリ言うし、好きな子が出来たらすぐ行動。

そんな彼女に憧れていた。


「でもさ、あたしと初めて喋った時であんな緊張してたんならあの子と喋んのは一生かかっても無理だよね」

「…確かに」

ホレ、と渡されたアキちゃん手作りのチョコクッキーを口に運ぶ。

程良い苦味が広がる。


「あの時の紗都、ビビりすぎだったから」

冗談っぽく笑うアキちゃんは女の私から見ても可愛く、今でも少し緊張する。

やめてよ、と言いつつ
ああ、そんな時もあったっけなんて過去の自分に苦笑。




.
< 3 / 44 >

この作品をシェア

pagetop