ビタースイート
一月、というは個人的に好き。
お正月もあるし、新学期が始まって皆に会えるし、何より誕生日があるから。
別に誕生日なんて一つ年をとるだけで、特別な何かが待ってる訳じゃないけれど。
「紗都ー?まだ正月気分?」
アキの言葉にハッとする。
「い、今何時!?」
「お昼ですよー」
周りを見て、ここが食堂だということが把握出来た。
一体何時間ぼーっとしていたのだろう。
「授業、何も覚えてない…」
「紗都らしいわ」
あははと笑うアキは、すっかり正月気分から抜け出しているみたい。
でも、アキの隣に水無月君が座っているのを見て、私もようやく目が覚めた。
目が、合う。
恥ずかしさと照れくささで、私は水無月君から視線を外した。
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