サクラサク
『薄汚れたシンデレラ』

暗闇は私の醜さを
すべて隠してくれる
魔法がかかったように
私を
「1人の女」
にしてくれる
あなたのお休みのKissの後は
「眠いから」
そう言ってあなたに背を向ける
ベッドから落ちないように、壁際にしてくれるのを頑なに拒む
寝たふりして
あなたの寝息が聞こえたら
そっと起きて少しだけカーテンを開けて月の光で
あなたの寝顔を眺める
起こしてしまうから
壁際を拒む
背を向ける
傷つけてる事分かってた
私だってあなたの腕の中で眠りたかった
でも…でもね
あなたの寝顔を見ていると幸せすぎて泣けてくる
泣いてしまうから甘えられなかった
泣き声をガマンして
声を出さないように
シーツに強く顔を押し付ける
そして朝になって…
朝の光は残酷に
私の魔法を溶き
元の「汚い女」に戻す
あなたは朝日を浴びて優しく微笑んでくれる
私がそばにいてどうして笑えるんだろう?
私は何をしてあげられてるんだろう?
罪悪感で一杯になってた26歳の冬
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