サクラサク
『届かぬ手の距離』

シャツのすそつかみきれず

手は行き場を失った


あなたと肩を並べる未来


手に残ったら消える雪のように

想っては想っても消えてゆく

「一緒にいたい」


言えもせず
残りもせず

しんしんと降る雪のように

ただ想いだけそこにある


そう言えたら
そうなれたら

ただ私はいつもの笑顔で


「さようなら」を

くり返す

想いは降り積もる雪のように

重なり続ける
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