たまり場
兎に角教室に走った。頭の痛さ、体のだるさを我慢して。

教室に着いた。すぐに見回した。

そこには皆はいなかった。

だけど…あの日出会った啓くん、啓くんがいた。

「啓…くん…。」
「鮎ちゃん?ダメでしょ来たら。そんな体して。」
「啓くん…なんであたしの名前…?」
「あの時、コンビニで鮎ちゃん達の会話聞いてたんだ。それで一緒に居た男の子
が大きい声で名前呼んでたから…。」
「そうなんだ。だけど…啓くん高校生でしょ?」

あの時啓くんは高校生だって言っていた。
高校生の啓くんがあたしの中学校の制服着て、居るなんて…

何かの間違いなのか、と思った。

「あ…鮎ちゃんごめん。俺、嘘ついてた。本当は中1なんだ…。」


え…あたしと同じ嘘を啓くんもついていた。
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