たまり場
「あたしも…ごめん。この通りあたしは中学生。」
「で俺がこの中学校に転校してきた初日…鮎ちゃんが倒れてて…。」
「ありがとう…啓くん。」

あの時あたしも嘘をついたけど、啓くんも嘘をついていた。

あの時あたしが倒れて、啓くんが助けてくれた事を気付かなかった。

あたしはどれだけひどい状態だったのだろう。

「で鮎ちゃん顔色…。」
「大した事ないよ。」
「鮎ちゃん?だいぶ無理してるみたいだね。俺で良かったら話して?助けになり
たい。」
「ありがとう…。」

あたしは啓くんにおんぶされ…屋上に向かった。

啓くんの背中は今までに感じた事の無い暖かさ。

自然と涙がこぼれた。
< 51 / 89 >

この作品をシェア

pagetop