たまり場
「鮎ちゃん大丈夫?ベンチ…寝転んでいいよ。」
「…ありがとう。あたしもね…今さらだけど嘘ついてた。本当にごめんね。」
「お互い様だよ!で…話せる?」
「うん…。話せる。あたしね昨日…ツレとカラオケ行って夜から朝までのオール
コースだったの。」
「うん。」
「カラオケなのに…あたしは1曲も歌わなかった。かわりにビールとチューハイを
交互に飲み続けてて…頭ガンガンになって、気持ち悪くなって…。」
「そんな事しちゃった理由…あるの?」
「あるよ…。」

涙がとまらなかった。

もう話せる状態じゃなかった。

もうどうでもいいと思った。


啓くんに話せば少し楽になるのだと思っていたけど…逆効果だった。
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