腐女子ものがたり
 「ていうか、今年は頑張ったねぇ・・・」
 伸びをしながら、時恵が話す。
 「まぁねぇ、二人でやってて結構いっぱいいっぱいだったと思うよ」
 「うん。イベントのペースがビックリだ。下手な月刊漫画家より、絶対書いてる」
 平均すると月二回半。仕事しながらでは、正直きつかった。
 イベントの参加申請に、ホームページの管理。もちろん原稿作りも忘れてはならない。
 「でも、汚い話だけど、コレが儲かるようになったよね」
 う、それは確かにそうだ。お金を稼ぐためにやってるわけじゃないが、確かにこれは嬉しい。
 オフセ本という種類の本を作るとする。値段をものすごく高めにして、五万円として、百部出来たとする。
 一部、五百円でトントンだ。
 ちなみに、百部で五万円はぼったくりに近い値段でもある。
 まぁ、ページ数や紙質によっても違うのだが。
 「うん。すごい助かる。イベントの参加料と、印刷代まかなえるのは」
 「んじゃあ、明後日、ガッチリ稼ぐかぁ」
 「いや、聞こえが悪いから」
 明日は土曜日だが、おそらく、部屋の片づけで時間をとられることだろう。
 とりあえず、ここにいてもしょうがないので、帰宅の途へついた。
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